あらすじ(Amazonより)
江戸・深川の料理屋「ふね屋」では、店の船出を飾る宴も終ろうとしていた。主人の太一郎が胸を撫で下ろした矢先、突然、抜き身の刀が暴れ出し、座敷を滅茶苦茶にしてしまう。亡者の姿は誰にも見えなかった。しかし、ふね屋の十二歳の娘おりんにとっては、高熱を発して彼岸に渡りかけて以来、亡者は身近な存在だった―。この屋敷には一体、どんな悪しき因縁がからみついているのだろうか。
結構ハチャメチャトンデモ展開だった(★ ̄∀ ̄★)
貫徹して読んじゃうくらいに読みやすく面白かったけど、色んなエピソードが宙ぶらりん
例えば、料理屋のエピソード
小説の書き出しは料理屋の起こりから始まる。
料理の描写の細かさや、太一郎がお題に沿った料理を作るための工夫・過程なんてワクワクする。
なのに、涙ぐましい太一郎の努力はいざお客様をお持て成しする段になると、台無しになる。
一度目の宴席は、お化けの暴走が原因で台無し。
二度目はどーでもいいモブのどーでもいい事情が原因。
三度目はモブがこぞって色んな意味での覇権争いし出して、料理はすでに蚊帳の外。
太一郎の努力の結晶である料理は、料理と関係ないコトによって消し炭に。
ああ、料理屋の皆さん残念だったね。でもきっと最後は上手く行くよ。
なんたって子どもが主人公のファンタジーホラーだからな。
って何度も味わわされるやるせない気持ちを静めてたんだけど最後、
「ぼくたちの冒険はこれからだ!」的なノリで料理屋に関するエピソードは 打 ち 切 り !
現実ってキービシィィィィィ(゚∀゚*)!
料理にめっさページをさかれてた割りに、この注目度の低さ…!やるせねぇ…!
この料理屋の庖丁人の1人、島次という男がまた哀れ。
無口だけど真面目でいい奴。
周囲のためにいいことしてんのに、人生においてはいいこと無し。
そんな中、ようやく太一郎に料理人として見出され始めたと思ったら、疑心暗鬼すぎる愛しいマイブラザー亡者の、被害妄想と勘違いにより取り殺されかけ、
最後は生きてるんだか死んでるんだか分からない状態のまま筆者から放置プレイ。
しまつぐぅぅぅぅぅ( ´∀`)!
ポッと出パッと退場の犯罪者おゆうさんなんて、己の憎しみを乗り越え、真剣で亡者を叩ききるというジャンプ主人公さながらの見せ場があったのに、な ぜ 島次は…(´ω`。)
上記のようなエピソード宙ぶらりん犠牲を払って、
お化けたちのエピソードのほうはきっちりカタがつくのだけど、
これも主人公おりんちゃんが何かをするわけではなく、ぶっちゃけあんま存在感無かったハズのお梅ちゃんがいきなり活躍しだして全てをまるく収める。
よもやこいつが世界を救う選ばれし者だったとは!
中盤でお化けたちが「おりんちゃんなら自分たちが成仏するための糸口を見つけてくれるかも」的意味深な会話するから、すっかり騙されたぜ( ̄  ̄)
一番重要な、登場人物たちの思惑や、後ろ暗さ、醜さなどの表現よりこんなコトばっか気になってた私は結構ヒネ勝。
でも主人公たちがいなくてもお化けの問題解決してたよね。